
前回は、一般向けの“ピンコロ本”をご紹介しました。
今回は、もう1冊の “ かなり濃い教科書 ” のお話です。
『LUNAグループ直伝! ユキ先生の女性泌尿器科外来』
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こちらは医療者向けの教科書。女性泌尿器科外来で実際に行われている診療や治療のエッセンスを、かなり具体的にまとめた一冊です。
実は最初、私はかなり驚きました。「ここまで書いていいの?」と。外来での治療ノウハウが、本当に細かいところまで書かれているんです。もちろん教科書ではあるのですが、ここまで具体的に公開してしまって大丈夫なのだろうか、と正直思いましたが、由紀先生は、「それが何か?」という感じで、まったく意に介していないようでした。
「医学って、変わり続けるものだから」
「今の情報を出しても、私はまた次の情報を取りにいく自信があるの」と、さらり。
この由紀先生の言葉が、すごく印象に残っています。
由紀先生は、「情報を囲い込む」という発想があまりありません。今、患者さんを診ていて、「これはいい」と感じていることを、できるだけ共有したい。そして、“今の臨床”をきちんと記録しておきたい。そんな思いが、この本には込められていました。
本の中には、エビデンスが確立した標準治療だけではなく、実際の外来の中で培われてきた工夫やコツもたくさん出てきます。もちろん医療は日々アップデートされていきます。
でも、「いま現場で患者さんが何に困っているのか」「どうするとQOLが上がるのか」という視点は、ずっと変わらないのだと思います。

女性泌尿器科って、どうしても「命に関わらないから後回し」と思われがちです。
尿もれ、頻尿、性交痛、フェムゾーンの違和感。どれも命には直結しないかもしれません。
でも、毎日のQOLにはものすごく影響します。だからこそ由紀先生は、ずっと「女性のQOL」を大事にしてきたのだと思います。
私の父は、男性更年期やテストステロン研究に長く関わってきた泌尿器科医でした。晩年は、女性とテストステロンの関係にも注目し、由紀先生と最期まで研究を続けていました。当時は、女性へのテストステロン補充に否定的な声も少なくありませんでしたが、最近は少しずつ見方も変わってきています。
今回、「ピンコロ本」と「教科書」の2冊を同時に作りながら感じたのは、医療も少しずつ変わってきている、ということでした。
“年齢のせい”で片づけられていたことにも、ちゃんとケアや治療の選択肢がある。そして、ポスト更年期をどう生きるかを、前向きに考える女性が増えている。そんな変化を感じています。
一般の方には、まず「ピンコロ本」をおすすめしたいです。でも、「もっと詳しく知りたい」「女性泌尿器科って実際どんな診療をしているの?」と思った方には、教科書のほうも興味深く読めると思います。医療者向けの専門書ではありますが、「女性の体って、こんなふうにつながっているんだ」と面白く読める一冊だと思います。
前回ご紹介した“ピンコロ本”はこちら👇
『99歳まで元気に! ピンピン楽しく、コロリと逝くための新しい医療』
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